はじめに
「自動運転トラック」
「無人配送」
ニュースや特集を見て、「これからはトラックドライバーの仕事がなくなるのでは?」と不安に感じている人も多いのではないでしょうか。
私は運送業界で働いている中で、自動運転の現状や課題、そしてドライバーの仕事が今後どう変わっていくのかについて、現場の目線も交えてお話しします。
自動運転の現状
自動運転にはレベル1からレベル5までの段階があります。
- レベル1〜2:一部の運転支援(車間距離の維持や車線維持など)
- レベル3:一定条件下で自動運転可能だが、人間の監視が必要
- レベル4:限定エリアや条件で完全自動運転が可能
- レベル5:どんな状況でも人間不要の完全自動運転
現在、日本や海外で実証実験が進んでいますが、実際に一般道で「完全無人トラック」が走る未来は、まだ遠いのが現実です。
なぜ完全自動運転は難しいのか
ニュースでは「あと数年で実用化」と取り上げられることもありますが、現場目線では課題が山積みです。
- 道路は常に同じ状況ではなく、渋滞や事故、工事など予測できないことが多い
- 雨・雪・霧などの悪天候ではセンサーやカメラの精度が落ちる
- 荷物の積み下ろしや顧客対応は人間の手が必要
- 法律や安全基準がまだ整っていない
これらの理由から、完全にドライバーが不要になるのは簡単ではありません。
私は仕事で無人運搬車をみたことがありますが、作業員の安全ベストの反射板に誤作動を起こし停止するなどの状況を目の当たりにしました。
停止した状況を確認し、安全に運行できるかを確認するのにまだ「人の手」が必要であると思います。
ドライバーの仕事はどう変わるのか
「なくなる」のではなく、「役割が変わる」というのが一番現実的です。
例えば、長距離輸送では自動運転がメインになり、ドライバーは安全監視や緊急時の対応を担当する形が考えられます。また、現場での荷扱いや取引先とのやりとりは、人間ならではの仕事として残るでしょう。
つまり、自動運転はドライバーを置き換えるのではなく、むしろ「ドライバーの負担を減らすパートナー」になる可能性が高いのです。
未来の働き方
自動運転化が進めば、次のような変化が期待できます。
- 長距離移動は自動運転が担い、ドライバーは最後の配送(ラストワンマイル)に集中
- 長時間運転による体力的な負担が減ることで、女性や高齢者も働きやすくなる
- 新しい技術を理解し、活用できる人材が求められる
つまり「ただ運転する」だけの仕事から、「自動運転を管理・活用する」仕事へとシフトしていくでしょう。
まとめ
自動運転化によってドライバーの仕事は「なくなる」のではなく、「形を変えて残る」可能性が高いです。
今は不安を感じる人も多いかもしれませんが、技術を味方につければ、むしろ働きやすい環境や新しいチャンスが広がるかもしれません。
これからの運送業界は「人と技術の協力」で成り立っていくのだと思います。
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